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種村季弘「吸血鬼幻想」


高校生の頃まで、学校の図書室の本をとりあえず片っ端から読む、という行為に夢中になっていた。
そうすると右から左、オカルトから自然科学まで、雑多なジャンルが頭に入ってくる。
そうして、その頃に読んだ本に関する事が、30年以上経ってから突然、別方向からの情報に繋がってくることがある。
不思議だけれども、情報とはそういう物なのだろう。

種村季弘氏の「吸血鬼幻想」に出会ったのは中学一年の頃だったと思う。
仙川の桐朋女子に通う通学時間は一時間半。たまたま近所の書店で文庫本を見かけて買った。
河出書房新社で出ている文庫版だ。
その出会いがきっかけで、少ない資金をやりくりして氏の本を買いあさっては読んだものだ。
未だに全集が手に入っていないのが心残りではあるけれど、あと30年ぐらい生きていれば、そのうち手元に来る機会もあるだろう。銀座にある氏のご子息が経営する画廊には、サイン本もまだ残っているそうだし。

オカルト好きが博物学の世界へと足を踏み入れたのは、この本に出合ってからだ。それまでも色々なジャンルに手を出していたから、この本と出合わなくても、何時かはそうなっていたのだろう。ちょっとばかり前倒しになり、十代の半分を費やす事になった。

思えば、色々な物に影響を受けてきた。子供の頃は小学館から出ていた入門百科シリーズや、ケイブンシャの大百科シリーズを読んではいっぱしの専門家気分に浸ったり、親の本棚を漁ったり、父が買ってはその辺に置いていた科学雑誌や新潮文庫の百冊を読み漁り、分子生物学も、文学も、全てが手に入ったような気がしていた。

そうして49歳になろうとしているが、まだまだ発展途上だ。



ところで、文豪ストレイドッグスの映画に澁澤龍彦氏が登場したし、種村先生も出してくれませんかね。
それなら、ちょっと見てみたい(アニメも原作も、ほぼ読んでないので)


ブログテーマ:名作求む!心に残った本・映画・音楽教えて!
by denjiroo | 2019-06-28 10:48 |

これまで、日々の雑感を書いておりましたが、鑑定士になりましたので伊勢流五行陰陽学に関連することも書いていきたいと思います。


by denjiroo
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